- Tax Identity Theft対策を今から。SSN流出・Fake Return・IRS Online Account・Tax Preparerへの渡し方まで整理
- まずTax Identity Theftとは何か
- IP PINとは何か
- IP PINは被害者だけのものではない
- SSN流出からFake Returnまでの流れ
- IP PINを取得すると何が変わるのか
- IP PINはどう取得するのか
- IRS Online Accountもセットで作るべき理由
- Tax PreparerへIP PINをどう渡すべきか
- IRSはIP PINを電話・メール・SMSで聞かない
- IP PINは毎年変わる
- IP PINを忘れたらどうなるか
- すでに被害に遭った場合はForm 14039
- 日本人・駐在員・国際結婚家庭が特に注意すべき理由
- IP PIN取得をおすすめしたい人
- IP PIN運用チェックリスト
- 個人的に感じること
- まとめ
Tax Identity Theft対策を今から。SSN流出・Fake Return・IRS Online Account・Tax Preparerへの渡し方まで整理
アメリカで生活していると、Social Security Number、いわゆるSSNを使う場面がとても多いです。
就職、銀行口座、クレジットカード、ローン、保険、学校、医療、税務申告。
便利な一方で、SSNが一度流出すると、完全に「交換」することは簡単ではありません。
そして、SSN流出で怖いものの一つが、Tax Identity Theft です。
Tax Identity Theftとは、簡単に言えば、誰かがあなたのSSNやITINを使って、あなたになりすましてTax Returnを提出し、Refundを不正に受け取ろうとすることです。
いわゆる Fake Return です。
「自分はまだ被害に遭っていないから大丈夫」
「IP PINはIdentity Theft被害者だけが使うもの」
「IRSから通知が来てから対応すればよい」
そう思っている人も多いかもしれません。
しかし、これは少し古い理解です。
IRSは現在、Identity Protection PIN、通称 IP PIN を、Tax Identity Theft対策として広く利用できる仕組みにしています。IRSはIP PINについて、SSNまたはITINを使って他人がTax Returnを提出することを防ぐ6桁の番号だと説明しています。
つまり、IP PINは「被害に遭った人だけの制度」ではありません。
これからは、Tax Returnを守るために、自分から取りに行くセキュリティ対策として考えるべきだと思います。
まずTax Identity Theftとは何か
Tax Identity Theftとは、誰かがあなたの個人情報を使って、不正なTax Returnを提出することです。
典型的には、次のような流れです。
- どこかでSSNやITIN、生年月日、氏名、住所などが流出する
- 犯罪者がその情報を使ってFake Returnを作成する
- 本人より先にIRSへe-fileする
- 不正なRefundを受け取ろうとする
- 本人が本物のTax Returnを提出しようとすると、IRSに拒否される
この場合、本人がTax Returnを提出しようとした時点で、「すでに同じSSNでReturnが出ています」という形で問題が発覚することがあります。
IRSも、Taxpayers should request an IP PIN if they want to protect their SSN or ITIN, dependent’s SSN or ITIN, exposed personal information, or if they suspect or confirm identity theftと案内しています。
ここで重要なのは、Tax Identity Theftは、クレジットカード不正利用のようにすぐ通知が来るとは限らないことです。
本人がTax Returnを提出するまで気づかない場合があります。
たとえば、4月に申告しようとして初めて、自分のSSNですでにFake Returnが出ていることを知る。
Refundを期待していたのに、IRS対応、Form 14039、本人確認、紙申告、処理遅延が必要になる。
これはかなり面倒です。
だからこそ、Tax Identity Theftは「起きてから対応する」よりも、「起きる前に防ぐ」方が重要です。
IP PINとは何か
IP PINとは、Identity Protection Personal Identification Number の略です。
IRSが発行する6桁の番号で、Tax Returnを提出するときに本人確認の追加キーとして使います。
IRSはIP PINについて、SSNまたはITINを使って他人がTax Returnを提出することを防ぐ6桁の番号であり、本人とIRSだけが知る番号だと説明しています。
イメージとしては、Tax Return用の追加パスコードです。
通常、Tax Returnには氏名、SSN、住所、生年月日、W-2、1099、AGIなどの情報が入ります。
しかし、これらの情報は、データ漏えい、過去の書類、フィッシング、詐欺、古いTax Returnの流出などで、第三者に知られてしまう可能性があります。
一方、IP PINが設定されている場合、その年の正しいIP PINがないと、電子申告が通りにくくなります。
つまり、仮に犯罪者があなたのSSNを知っていても、IP PINを知らなければFake Returnを出しにくくなるということです。
IP PINは被害者だけのものではない
以前は、IP PINというと、すでにTax Identity Theftの被害に遭った人、またはIRSから対象者として指定された人が使うイメージが強かったと思います。
実際、IRSは、Tax Identity Theftの被害が確認された人について、問題解決後にIdentity Theft indicatorを付け、今後の申告を守るためにIP PINプログラムへ入れると説明しています。確認済み被害者には、毎年新しい6桁のIP PINが発行されます。
しかし現在は、それだけではありません。
IRSは、すべての納税者にIP PIN取得を促しています。IRSは2025年のTax Seasonに向けた案内でも、すべての納税者にIdentity Protection PINへのサインアップを勧めています。
さらにIRSは、SSNまたはITINを持つ人であれば、米国外に住んでいる人も含めてIP PINを取得できると説明しています。
つまり、IP PINは「被害者用の制度」から、「予防のために使える制度」へ広がっています。
SSNは、一度流出すると長期間悪用される可能性があります。
クレジットカード番号なら再発行できます。
銀行カードも再発行できます。
パスワードも変更できます。
しかし、SSNはそう簡単には変えられません。
だからこそ、Tax ReturnについてはIP PINを使って、SSNだけでは申告できない状態にしておくことが有効です。
SSN流出からFake Returnまでの流れ
Tax Identity Theftを理解するには、SSN流出からFake Returnまでの流れをイメージすると分かりやすいです。
1. SSNや個人情報が流出する
流出の原因はさまざまです。
大規模データ漏えい、フィッシングメール、偽のIRS電話、偽の税務サービス、雇用主や学校からの書類流出、古いTax Return PDFの管理ミスなどが考えられます。
本人が悪いことをしていなくても、SSNが外部に出ることはあります。
2. 犯罪者がFake Returnを作る
犯罪者は、流出した氏名、SSN、生年月日、住所などを使って、本人になりすましたTax Returnを作成します。
目的はRefundです。
架空のW-2、架空のCredit、架空のWithholdingなどを使い、IRSからRefundを取ろうとすることがあります。
3. 本人より先にe-fileする
Tax Returnは、基本的に同じSSNで同一年に複数のFederal Returnをe-fileできません。
そのため、犯罪者が先にFake Returnを提出すると、本人の本物のReturnがe-file rejectedになることがあります。
4. 本人の申告が止まる
本人がTax SoftwareやTax Preparerを使って申告しようとすると、Duplicate SSNのような理由で電子申告が拒否されます。
ここで初めて問題に気づく人もいます。
5. IRS対応が必要になる
この場合、本人はIdentity Theft対応を行い、本物のTax Returnを提出し、必要に応じてForm 14039, Identity Theft Affidavitを使います。IRSは、自分の個人情報が不正なFederal tax returnに使われていると考える場合、Form 14039を使うことを案内しています。
この流れを考えると、IP PINはかなり有効です。
IP PINがあれば、Fake Returnをe-fileしようとしても、その年の正しいIP PINがないため、IRS側で止まりやすくなります。
IP PINを取得すると何が変わるのか
IP PINを取得すると、Tax Returnを提出するときに、その年の6桁のIP PINを入力する必要があります。
IRSは、IP PIN users must use this number when filing their federal tax returns for the current calendar year and any previous years filed during that same periodと説明しています。
ここは非常に重要です。
IP PINは、「2025年分Returnには2025年用IP PIN」という単純なTax Yearベースではありません。
より正確には、そのCalendar Yearに提出するFederal Returnに使う番号です。
たとえば、2026年に2025年分Tax Returnを提出する場合は、2026年に有効なIP PINを使います。
さらに、2026年中に2024年分や2023年分の過年度Returnを提出する場合も、2026年に有効なIP PINを使う必要があります。
IRSのCP01A Noticeページでも、IP PINは、そのCalendar Yearに提出するcurrent or prior yearsのForms 1040, 1040-SR, 1040-NR, 1040-SSで使う必要があり、正しく使わないとe-filed returnがrejectされ、paper returnの処理が遅れる可能性があると説明されています。
つまり、IP PINは「提出する年」に紐づく番号として理解する方が安全です。
IP PINはどう取得するのか
IP PINを取得する基本的な方法は、IRSの Get an IP PIN ツールを使うことです。
IRSは、IP PINを取得するには、IRS.govでOnline Accountを作成またはログインし、本人確認を行うよう案内しています。本人確認後、ProfileタブからIP PINをリクエストできます。
流れとしては、次のようになります。
- IRS.govのGet an IP PINページへ行く
- IRS Online Accountへログイン、または新規作成する
- 本人確認を行う
- IP PINプログラムにOpt inする
- その年に有効な6桁のIP PINを取得する
- Tax Return提出時にIP PINを入力する
IRSは、オンラインで本人確認できない場合には、Form 15227, Application for an Identity Protection Personal Identification Numberを使ってIP PINをリクエストできる場合があると説明しています。
ただし、実務的には、IRS Online Accountを作っておくことが非常に重要です。
IP PINの取得だけでなく、IRS Online Accountでは、支払い、残高、Tax Records、一定の通知などを確認できるため、今後の税務管理の入口になります。
IRSも、IRS Online AccountとIP PINを、Identity TheftやScammer対策の重要なツールとして案内しています。
IRS Online Accountもセットで作るべき理由
IP PINだけでなく、IRS Online Accountもセットで考えるべきです。
理由は3つあります。
第一に、IP PINの取得・再取得に使うからです。
IP PINを紛失した場合、IRS Online Accountから現在有効なIP PINを再取得できます。IRSは、IP PINをなくした場合、Online AccountのProfileページから現在のIP PINを確認できると案内しています。
第二に、自分で正規のIRS Online Accountを作成し、多要素認証を設定し、ログイン情報を安全に保管することが、税務ID保護の基本になるからです。
第三に、今後IRSの電子化が進むほど、Online Accountの重要性が増すからです。
特に日本人駐在員、永住者、国際結婚家庭、米国外金融資産を持つ人は、IRS Notice、支払い、Transcript、Refund確認などでIRS Online Accountを使う場面が増えていく可能性があります。
Tax PreparerへIP PINをどう渡すべきか
ここも実務上とても大事です。
IP PINを取得した場合、Tax Returnを作成・提出するTax Preparerにその番号を伝える必要があります。
IRSは、Tax Professionalはクライアントの代わりにIP PINを取得できない一方で、申告目的のために納税者本人から直接IP PINを受け取ることはできると説明しています。
つまり、流れとしてはこうです。
- 納税者本人がIRS Online AccountなどでIP PINを取得する
- Tax Preparerに必要なタイミングでIP PINを伝える
- Tax PreparerがTax ReturnにIP PINを入力する
- e-file後はIP PINを不要に広く共有しない
- 翌年は新しいIP PINを再取得して、再度Preparerに伝える
ここで注意したいのは、IP PINは非常に重要な番号だということです。
メール本文にそのまま書く。
LINEやSMSにそのまま送る。
PDFにパスワードなしで貼り付ける。
共有フォルダに誰でも見られる形で置く。
こうした扱いは避けた方がよいです。
Tax Preparerへ渡す場合は、Secure Client Portal、暗号化されたファイル共有、電話での口頭確認、または事務所が指定する安全な方法を使うべきです。
また、IP PINはTax Return提出に必要な番号ですが、Preparerがそれを使ってIRS Online Accountにログインできるわけではありません。
IRS Online AccountのID・パスワード・多要素認証コードをTax Preparerに渡すべきではありません。
渡すのは、あくまでTax Return提出に必要な その年に有効なIP PIN です。
IRSはIP PINを電話・メール・SMSで聞かない
ここは必ず覚えておきたいポイントです。
IRSは、IP PINを電話、メール、テキストで尋ねることはないと明確に注意喚起しています。IP PINを聞いてくる電話、メール、テキストは詐欺です。
つまり、IP PINを渡してよい相手は非常に限定されます。
基本的には、Tax Returnを提出する直前に、自分が依頼しているTax Preparerへ安全な方法で渡す場合です。
それ以外で「IRSです。IP PINを教えてください」「Refundを処理するためにIP PINが必要です」「本人確認のためにIP PINを送ってください」と言われた場合は、詐欺を疑うべきです。
IP PINは、Tax Returnを守るための番号です。
その番号自体を盗まれてしまうと、防御策の意味が弱くなります。
IP PINは毎年変わる
IP PINで最もよくあるミスの一つが、去年の番号を使ってしまうことです。
IP PINは毎年変わります。
IRSは、IP PINプログラムの利用者は毎年新しいIP PINを取得する必要があると説明しています。Taxpayer Advocate Serviceも、IP PINプログラムの利用者は毎年新しいIP PINを受け取ると説明しています。
Tax Identity Theftの確認済み被害者については、IRSが毎年CP01A Noticeで新しいIP PINを発行します。IRSのCP01A Noticeページでも、CP01A NoticeはIRSが発行したIP PINを知らせる通知であり、そのIP PINをcurrent or prior year returnsに使う必要があると説明されています。
一方、自分でOpt inした人は、毎年IRS Online Accountから新しいIP PINを確認するのが基本です。
そのため、毎年Tax Returnを始める前に、次の確認が必要です。
- 今年有効なIP PINを取得したか
- 去年のIP PINを使っていないか
- 夫婦それぞれIP PINがあるか
- 子ども・DependentにもIP PINがあるか
- Tax Preparerへ今年有効なIP PINを渡したか
- 過年度Returnを今年提出する場合にも、今年有効なIP PINを使うか確認したか
特にMarried Filing Jointlyの場合、夫婦それぞれがIP PINを持っている場合は、それぞれの番号を正しく入力する必要があります。
DependentにIP PINがある場合も、Return上で必要になることがあります。
IP PINを忘れたらどうなるか
IP PINを取得したのに忘れてしまった場合、Tax Returnの提出が止まる可能性があります。
e-fileでは、必要なIP PINが入っていない、または間違っていると、ReturnがRejectされる可能性があります。
IRSは、IP PINをなくした場合にはRetrieve Your IP PINを使い、Online AccountのProfileページから現在のIP PINを確認できると案内しています。
ここで注意したいのは、未成年のIP PINです。
IRSは、18歳未満のminorのIP PINについて、紛失または未受領の場合はオンラインでretrieveできず、IRSへ電話して郵送で再発行してもらう必要があると説明しています。
どうしてもIP PINを取得できない場合は、Paper Returnを提出する必要があるケースもあります。
ただし、Paper Returnは処理に時間がかかりやすく、Refundも遅れる可能性があります。
したがって、IP PINを取得したら、パスワードマネージャーや安全な保管場所に、その年の番号を保存しておくことが大切です。
保存時には「2026 IP PIN」のように、年が分かる形で管理するのがおすすめです。
去年の番号と混ざると、申告時に混乱します。
すでに被害に遭った場合はForm 14039
もし、すでにTax Identity Theftの被害に遭っている、または自分のSSNでFake Returnが提出された可能性がある場合は、IP PINだけでなく、Identity Theft Affidavitの対応が必要になることがあります。
IRSは、納税者が自分の個人情報が不正なFederal Tax Returnに使われていると考える場合、Form 14039, Identity Theft Affidavitを提出することを案内しています。
典型的には、次のような場合です。
- e-fileしようとしたら、同じSSNで既にReturnが提出済みとしてRejectされた
- IRSから、自分が提出していないTax ReturnについてNoticeが届いた
- IRSから本人確認のLetterが届いたが、自分はそのReturnを出していない
- Refundが不自然に止まっている
- 自分のWage/Income Transcriptに知らない雇用主や所得がある
IRSは、Tax Identity Theftの被害が確認された納税者をIP PINプログラムに入れ、今後の申告で毎年新しいIP PINを発行すると説明しています。
つまり、IP PINは予防にも使えますが、被害後の再発防止にも使われます。
日本人・駐在員・国際結婚家庭が特に注意すべき理由
在米日本人、駐在員、国際結婚家庭にとって、IP PINは特に重要です。
理由は、税務情報が日米にまたがり、書類やID情報の管理が複雑になりやすいからです。
たとえば、次のようなケースがあります。
| ケース | 注意点 |
|---|---|
| 駐在員 | W-2、Tax Equalization、州税、帰任後の住所変更で書類が分散しやすいです。 |
| グリーンカード保持者 | 米国外に住んでもU.S. tax filingが続く可能性があります。 |
| 国際結婚家庭 | 夫婦のSSN/ITIN、子どものSSN、Joint Return管理が重要です。 |
| 子どもがいる家庭 | DependentのSSNが悪用される可能性もあります。 |
| 日本帰国者 | IRS Noticeが旧住所に届き、Identity Theft対応が遅れる可能性があります。 |
| 日本の金融資産がある人 | FBAR、Form 8938、PFICなどで税務書類が増え、情報管理が複雑になります。 |
特に子どものSSNは要注意です。
子どもはクレジット履歴を普段確認しないため、SSN悪用に気づきにくいことがあります。
Tax Return上でも、Dependentとして誰かに不正に使われるリスクがあります。
IRSも、dependentのSSNまたはITINを守りたい場合にもIP PINをリクエストできると案内しています。
そのため、家族全体でIP PINを検討する価値があります。
IP PIN取得をおすすめしたい人
個人的には、次のような人はIP PIN取得を検討する価値が高いと思います。
- SSNが過去のデータ漏えいに含まれた可能性がある人
- 過去にIdentity Theftやクレジット不正利用の経験がある人
- Tax Refundが大きくなりやすい人
- 毎年Tax Preparerを使って申告している人
- 日本帰国後も米国申告が残る人
- グリーンカード保持者
- 米国市民・永住者の子どもがいる家庭
- IRS Online Accountをまだ作っていない人
- 過去にe-file rejectionやIRS本人確認Letterを受け取った人
- 個人情報を複数の国・機関・会社に提出している人
もちろん、IP PINを取得すると、毎年新しい番号を管理する手間は増えます。
しかし、Fake Returnを出されてから対応する手間と比べれば、かなり小さい負担です。
Tax Identity Theftは、起きてから解決するのに時間がかかります。
一方、IP PINは事前にできる数少ない防御策です。
IP PIN運用チェックリスト
最後に、実務で使えるチェックリストをまとめます。
取得前
- IRS Online Accountを作成できるか確認する
- 本人確認に必要なIDを準備する
- SSNまたはITINを確認する
- 家族で誰がIP PINを取るか決める
- Tax Preparerを使う場合、共有方法を確認する
取得後
- 6桁のIP PINを安全に保管する
- 何年に有効なIP PINか明記する
- 夫婦・Dependentごとに番号を分けて管理する
- メール本文やSMSで不用意に送らない
- Tax Preparerには安全な方法で渡す
- IRS Online Accountのログイン情報は渡さない
- IRSを名乗る電話・メール・SMSでIP PINを聞かれたら詐欺を疑う
毎年のTax Season前
- 新しいIP PINを取得する
- 去年の番号を使っていないか確認する
- Tax Preparerへ今年有効なIP PINを渡す
- 過年度Returnを提出する場合、その暦年のIP PINを使うか確認する
- e-file前にIP PIN入力欄を確認する
被害が疑われる場合
- e-file rejectionの内容を確認する
- IRS Noticeを確認する
- 自分が提出していないReturnか確認する
- 必要に応じてForm 14039を提出する
- IRS Online AccountでTax Recordsを確認する
- 今後のためにIP PINを取得・維持する
個人的に感じること
個人的に、IP PINはもっと多くの在米日本人に知られるべき制度だと思います。
日本人は、Tax Returnについてはかなり真面目に対応する人が多いです。
W-2を集める。
1099を集める。
FBARやForm 8938も気にする。
日本の金融資産も報告する。
しかし、Tax Identity Theft対策までは、意外と後回しになりがちです。
「自分は被害に遭っていないから大丈夫」
「IRSから何も言われていないから大丈夫」
「SSNはちゃんと管理しているから大丈夫」
そう思っていても、データ漏えいは自分の管理外で起きることがあります。
SSNは、アメリカ生活の中でいろいろな場所に提出せざるを得ません。
だからこそ、Tax Returnだけでも、IP PINという追加ロックをかけておく意味があります。
特に、駐在員、永住者、国際結婚家庭、日本帰国後も米国申告が残る人にとって、IP PINは「税務のセキュリティ対策」です。
税務申告は、数字を正しく入れるだけではありません。
自分のSSNで、他人に勝手にReturnを出されないように守ることも、これからのTax Planningの一部だと思います。
まとめ
IP PINは、Tax Identity Theftの被害者だけが使うものではありません。
IRSは現在、すべての納税者にIP PIN取得を促しており、IP PINはSSNまたはITINを使った不正なTax Return提出を防ぐ6桁の番号として案内されています。
SSNが流出すると、犯罪者がFake Returnを提出し、Refundを不正に受け取ろうとする可能性があります。
IP PINを取得していれば、正しい6桁の番号がないとTax Returnが通りにくくなるため、Tax Identity Theft対策として有効です。
ただし、IP PINは毎年変わります。
そして、使う番号は「対象Tax Year」ではなく、基本的にはそのCalendar Yearに提出するReturnで有効なIP PINです。現在年のReturnだけでなく、その年に提出する過年度Returnにも同じCalendar YearのIP PINを使う必要があります。
Tax Preparerを使う場合、Preparerはクライアントの代わりにIP PINを取得できません。
納税者本人がIRS Online Accountなどで取得し、安全な方法でTax Preparerに渡す必要があります。
また、IRSは電話・メール・SMSでIP PINを聞きません。IP PINを聞いてくる連絡は詐欺を疑うべきです。
もしすでにFake ReturnやTax Identity Theftが疑われる場合は、Form 14039, Identity Theft Affidavitの提出が必要になることがあります。
これからの時代、Tax Returnを守るには、申告内容を正しく作るだけでなく、自分のSSNで他人に申告されない仕組みを作ることが大切です。
IP PINは、そのためのシンプルで強力な第一歩です。

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