William O’Neil氏の成長株発掘法⑥: CAN-SLIM法の「L」

お金

今回はWilliam O’Neil氏の成長株発掘法シリーズの第6回目となります。

前回までの記事を見逃した方は是非下記のリンクからご一読ください。

William O’Neil氏の投資手法の詳細については是非実際に書籍を購入してしっかりと咀嚼していただければと思います。

CAN-SLIMの「L」: Leadership

CAN-SLIMの「L」は、「Leadership(リーダーシップ)」を指します。

リーダーシップは、成功する銘柄や企業がその業界や市場で先導的な役割を果たしているかどうかを評価する要素となります。

以下は、「L」に関連するいくつかのポイントです:

  1. 業績のリーダーシップ: 成功する銘柄は、売上高や利益などの重要な財務指標でその業界や市場の中でリーダーシップを発揮しています。これは、企業が健全な成長を遂げ、競合他社をしのぐ力を持っていることを示します。
  2. 株価のリーダーシップ: リーダーシップは、株価の上昇にも関連しています。成功する銘柄はしばしば強いトレンドを示し、他の銘柄や市場全体よりも早く上昇します。これを通じて、投資家は市場の中でリーダーシップを発揮している銘柄を特定しやすくなります。
  3. 新製品やサービスの導入: リーダーシップは、新しい製品やサービスの導入においても重要です。市場を牽引し、革新的な取り組みを行う企業は、競合他社よりも成功する可能性が高いです。
  4. 業界のトレンドを先取り: リーダーシップは、業界の将来のトレンドを見極め、それに対応する企業がどれかを理解することも包含しています。将来的な成長が見込まれる業界においてリーダーシップを発揮できる銘柄は、投資家にとって魅力的な選択肢となります。

総じて、CAN-SLIMにおける「L」は、成功する投資先や銘柄がその分野でどれだけリーダーシップを発揮しているかを見極め、それを投資判断に役立てることを強調しています。

業界内で上位1~3銘柄を狙う

その業界における上位1~3銘柄は、残りの企業がまったく振るわないときでも、信じられないような成長を見せることがあります。

上位企業とは、規模が最大であるとか、だれもが知っているブランドという意味ではありません。

最高の四半期EPS増加率および年間EPSの増加を示し、ROE(株主資本利益率)も最大で、利益率や売上増加率もずば抜けていて、株価の動きも活発な企業のことを意味します。

さらに、独創性のある優れた製品やサービスを生み出しては、革新的になりきれない古株の競合他社からマーケットシェアを奪い取っていることも特徴です。

主導銘柄と停滞銘柄を見分ける方法

資産を株式で持つ投資家は、業績が最低の銘柄を早めに売り、業績が優れている銘柄を長期間保有することを学ぶ必要があります。

つまり、誤った判断が実証された銘柄は損失が少なくすむうちに売り、優れた選択が実証された銘柄は大化け銘柄に発展する可能性があります。

しかし、人間の性格とは残念ながら、多くの人が逆の行動を取りがちで、負けている株を長く保有し、勝っている株を早めに売却してしまうことがあり、これは大きな損失を引き起こす要因となります。

手持ちの銘柄の業績順位を判断する方法として、『インベスターズ・ビジネス・デイリー』紙の株価のレラティブストレングス指数が役立ちます。

この指数は、特定の銘柄の値動きを市場の他の銘柄と比較し、過去52週間にわたる相対的な強さを示すものです。

各銘柄には1から99の数値が割り当てられ、99が最高です。

たとえば、レラティブストレングス指数が99の場合、その銘柄の値動きは市場全体の99%の企業を上回ったことを示します。

レラティブストレングス指数が50の場合、市場の半分がその銘柄よりも良い値動きをし、残りの半分が悪い値動きだったことを意味します。

もし保有銘柄のレラティブストレングス指数が70以下ならば、市場全体で優れた結果を出している銘柄に比べて劣っている可能性があります。

そのような銘柄の株価は上昇することがあっても、他の銘柄ほどの上昇が期待されない可能性があります。

レラティブストレングス指数が80~90台でベースを形成している銘柄を選ぶ

主導銘柄に焦点を当て、銘柄選択の質を向上させるためには、レラティブストレングス指数が80以上の企業に絞ることが一つのアプローチです。

これは市場で優れた相対的な強さを示す銘柄を選ぶ手段の一つであり、多くの投資家が低迷銘柄を好んで買うことがある中で、強い銘柄を特定するのに役立ちます。

William O’Neil氏自身、レラティブストレングス指数が80以下の株は買わないようにしていると述べており、実際に大きな利益をもたらす銘柄は通常、株価が一回目や二回目のベースから上にブレイクアウトするとき、そのレラティブストレングス指数が90以上になっていることが多いと述べています。

これは、市場での優れたパフォーマンスを示す銘柄を見極める重要な手がかりです。

株を買う際のもう一つの絶対条件は、正しく形成されたベースや揉み合いからブレイクアウトしていることです。

さらに、ピボットポイント(正しい買値)での購入も重要です。

そして、最初の買いポイントから既に5%~10%上昇してしまった銘柄は避けるべきとWilliam O’Neil氏は語っています。

これにより、急激な市場の変動に対するリスクを低減し、慎重に銘柄を選ぶプロセスが強調されています。

マーケットの調整局面で新たな主導銘柄を探す

市場全体が調整局面や下落を迎える際は、新しい主導銘柄を見つけやすい時期とされています。

魅力的な成長株は、市場平均株価の1.5~2.5倍の調整が入ると言われています。

つまり、市場全体が10%下落する場合、優れた成長株の下落率は15~25%になる可能性があります。

しかし、強気相場や上昇トレンドの一時的な調整の場合、最も下落率が少なかった成長株が良い選択とされ、逆に最も下落率が大きかった銘柄が最悪の選択となります。

例えば、市場平均株価が10%の中期的な株価調整に入った場合、これまで順調だった手持ちの成長株のうち、それぞれ15%、25%、35%下落した銘柄があるとします。

この中で15%と25%下落した二つの銘柄が、市場全体が回復した後に再び良い値動きをする可能性が高いとされています。

市場全体が10%下落している状況で35~40%も下落した銘柄は、売りの警告を示していると考えるべきで、通常はそのような警告に耳を傾けることが賢明です。

市場全体の下落が最終局面を迎えた後、最初に新高値を付けるまでに回復した銘柄が、新しい主導銘柄となります。

このような株価のブレイクアウトが、おおよそ13週間ほどにわたって次々と続く傾向があります。

一流の銘柄は、通常最初の3~4週の間にブレイクアウトすることが期待されます。

これが理想的な株の買い時であり、見逃さないようにするべきです。

停滞株の損切りポイント

下落中の株を買うのは危険な行為であり、資金を失ってしまうことになりかねません。

だから、このような危険な悪習慣は今すぐやめるようにとWilliam O’Neil氏は語っています。

優良とされる銘柄であっても、下落中に購入することは避け、特に7~8%下落した時点で損切りを検討するのは合理的なアプローチです。

どんな銘柄も将来の動きは確定的ではなく、市場は予測不可能な要因に影響を受けることがあります。

資産を保護するためには、堅実なルールを持つことが重要です。

投資は確かにリスクが伴うものであり、誰もが過ちを犯す可能性があります。

そのため、過去の失敗から学び、自らの過ちを早期に認識し修正できるような投資家であることは重要です。

感情に振り回されず、冷静に検討し、適切なタイミングで損切りすることは、資産を守りながら効果的な投資を行うための鍵となります。

停滞株に投資することは、通常、利益を上げる難易度が高まります。

主導銘柄を見極め、強気の相場で動く銘柄に焦点を当てるのは、成長性と利益の観点から合理的なアプローチです。

同時に、損切りを実践することも賢明です。

特に、購入した銘柄が買値から8%下落した場合に損切りを検討する方針は、損失を最小限に抑えるうえで重要な戦略です。

感情に左右されずに冷静に損切りを行うことで、大きな損失を防ぐことができます。

マーケット状況や銘柄の個別要因に敏感に対応し、リスク管理を徹底することが、持続可能な投資戦略の一環です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました